着物リメイクはエシカルファッションか?東京着物リメイクazu

2022/02/27 ブログ
着物リメイクワンピース

「ファッションの仕事で世界を変える」

という本を読みました。

 

私の世代より随分下の世代は、

環境や人権、サスティナビリテイなどに関する考え方が大分違うようです。

SDGsなどもすんなり受け入れられる世代のようです。

すごいです!

エシカルとは、

倫理的な、道徳的な、という意味。

その製品が倫理的で道徳的に作られたのか?

そんな事を普通に考えて製品を作る、買う、

ってすごいです。

 

私達の世代は、

資本主義まっしぐら、

どうしたらたくさん稼げるか、

というのが普通であったように思います。

たくさん安く作って、

たくさん売る、

というのがメインで、

賃金が安い途上国に工場を移して大量生産する、ということが加速された時代でした。

日本国内の家内工業や町工場などが、仕事がなくなり廃業していった時代です。

その製品の材料はどこで誰が作ったのか?

実際に作っている人はどこの人か?

なんて誰も気にせず、

ただ安いから、

という事で物が売れたのです。

 

私達も、最近はあまりにもそんな事を見聞きする事が多くなり、

意識するようになっています。

 

100円ショップでさえ、

これからはその辺りを考えて商品を作っていくようです。

 

着物リメイクワンピース

私が着物リメイクの仕事をやり始めたのは、

社会起業家、

なんていう崇高な理念はなく、

やっている仕事の延長でした。

ただ、気がついたら、

今の時代にマッチした仕事になっている、

という感じでしょうか。

今やっている仕事から理念や意義を考える、

という逆の発想になっていますが、

それはそれで良いかな、

と思っています。

 

最近は、

着物リメイクもエシカルファッション、

と考える向きもあるようです。

 

ただ、

既に存在している着物というものの、

蚕の原産地や、

作り手までは特定できません。

日本の蚕かのか、

中国の蚕なのか、

などは調べる術がありません。

よっぽど有名な作家さんの着物であったりすれば、調べるのは可能だと思いますが。

でも、

例えば、地方の母親の着物であれば、

その近所の呉服屋さんからの購入である事が多いだろうし、

ある程度はわかるかもしれません。

作っていたのは、昔は日本にたくさんいらした和装士さんだと思います。

でも、

お母様の着物だったり、

お祖母様の着物であったりすれば、

別にそんな事を調べなくても良いですよね。

そのお着物自体が想い出であるのですから、

それをいかに活かすか、

という事が重要だと思うのです。

 

ですから、

エシカルの考え方とは若干異なると思います。

昔から存在していたけれど、

自分にとっては単なる邪魔者だった着物達に

新たな価値観を与えて、

自分の日常に新しいお洋服として迎え入れる。

 

そして、

その着物の思い出と共に生活する、

着物リメイクのお洋服はそんなイメージではないかと考えます。

ずっと箪笥の奥に置き去りにされていた着物達を蘇えられる、

違う生命を吹き込む、

感じでしょうか。

 

日本中の箪笥に何年も置き去りにされている、

存在も忘れられている着物達を救いたい!

そんな事を思っています。

 

皆さんが箪笥に眠っている着物を思い出して頂けると嬉しいです。